病んでるとグレーてる6【完】


「久しぶり」

そう言ってあたしの隣に座るのはただの影。

でもその声はよく覚えている。
懐かしくて愛おしい声。

「コウ、どうしたの?」

「コウ?俺の名前をそんな風に呼んでたっけ?」

「アンタはコウでしょ?」

「猫みたいな名前で呼ばないでよ。俺は――でしょ?」

アハハ、とバカにして笑う声すら愛おしい。

「なんでここに居るの?」

「迎えに来たんだよ」

「どうして?」

「だってコッチに来るんでしょ?」

「なにそれ、ここじゃダメなの?」

静かな場所、綺麗な空間。
前みたいに白い空間じゃない。

緑もあるし色鮮やかだ。

あたしはここに居たい。
だから動きたくない。

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