病んでるとグレーてる6【完】

夢と現実の間


これが夢なら早く覚めて欲しいと願う人々が居る。

これが現実ならいっそ夢であればと願う人々が居る。

彼女が消えてから1ヶ月。
季節はもう本格的な夏になった。

白い肌の彼女なら、すぐに日焼けしてしまいそうな日差しさえも今は眩しいとは思えない。

このまま目を焼き尽くして何も見えなくなればいいのに、と思う。

確かに、彼女の存在は大きかった。
大きすぎるが故に多くの人間の胸に抉るような穴を作った。

「柚真……」

何度かの雨によって彼女が残した赤色は綺麗に流された。

自分等に残っているものと言えば形見と言えばいいのだろうか、彼女の私物だけだ。

身につけていたブレスレットを見るのは辛いと彼等はすぐに外した。

みんなでお揃いと言っていたのに彼女のブレスレットはどこに消えたんだろうか。

彼女は……もう居ない。

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