病んでるとグレーてる6【完】

彼女の最後


長い長い時間を経て赤色が消えた。

そのことにホッと胸を撫で下ろすはずが、戻ってきたリュウセイの口から出た言葉に一同は呆然とした。

「柚真は、柚真は……」

重く開く口から零れ落ちる。

「持つかどうか、分からない」

彼女の希望は運任せ。

屋上から落ちて即死じゃないことが奇跡だったのに、これ以上奇跡は起せない。

彼女は運よく植え込みの木々の上に落ちた。

これは推論でしかないが、一度身体がバウンドして二度落ちた。

刺さった木の枝、叩き付けられた衝撃で骨折、及び内臓損傷。

こんなにも手術が長引いたのは複数の同時手術のせいだと、いうが本当の所は慎重になりすぎていたせい。

彼女を生かす為に。

心停止しても諦めず繋ぎ止めたマリアにこれ以上何を望む?

せめてもの救いは柚真が頭を抱えて落ちたことにより、顔だけは擦り傷で済んだことだ。

彼女の顔は綺麗なまま。

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