星へ

本編

私の名前は、渡畑 日和(わたはた ひより)。今年ようやく、なんとか高校生になれた。
私の心臓は、そのうちに止まってしまうという難病を抱えている。治療法はない。

いくつかの薬を飲んではいるけど、一時的なもので、完治することはなく、ただ死期を待つだけの病気。
唯一希望が持てるとすれば、臓器移植だが、まだまだ日本では症例が少なく、可能性は限りなく0に近い。

それに加えて、私は虚弱体質と、重度の喘息を持っていて、ここまで生きてきたのが奇跡のような、なんともまぁめんどくさい身体だ。

「渡畑さ~ん、渡畑日和さ~ん、3番の診察室にお入りくださーい」

今、週3回の定期検診。言われた診察室に入ると、ずっと私の担当医をしてくれてる紘生(こうき)先生がいた。

「紘生先生~!」

「日和ちゃん、元気そうだね~」

「元気!」

「まぁ、ちゃんと診察するから。こっちに座って?」

「はぁい」

紘生先生は本当は40歳過ぎてるのに、どう見ても30歳にしか見えない、童顔。言うと怒るから、言わないけどね
私を診察し終わった紘生先生は、ちょっと悲しそうな顔をした。

「どうしたの?先生」

「日和ちゃんは薬で気がついてないかもしれないんだけど、ちょっとずつ、でも、確実に悪くなってるんだよ。喘息もひどくなってるしね。次にもし、重い発作があったら、入院することになると思うんだ、、、」

「そっか~」

紘生先生の言う、入院はたぶん、入院したまま退院できないってことなんだと思う。

「発作が起きないように、今まで以上に気を付けてね。絶対安静だからな?」

「はーい、、、」

私はもうすでに、入院しないといけない状態らしい。でも、入院してたって治らないし、私が学校に行きたいって言ってるから、まだ入院はしてない。

「薬、まだ残ってたっけ?」

「うん」

診察が終わって、イスから立った。

「紘生先生、ありがとー!、、、あ、輝が入院したって聞いたんだけど、どこ?」

「輝くん?あぁ、4012号室にいるよ。」

輝は、重度の喘息を持っていて、よく入院するから、私の病院友達。

「お見舞い大丈夫?」

「行ってあげて?」

紘生先生にさようならをして、お会計も済ませた。
さぁ、お見舞いに行こう!
エレベーターに乗って、病室を目指した。もはや、家みたいな場所だから、どこかはすぐにわかる。

「コン!コン!」

「はーい」

「日和でーす」

中に入ると、輝と、輝のお母さんがいた。

「日和~!久しぶりだな~、大丈夫か?最近」

「ん~、、、それよりも、輝でしょ?大丈夫?こんな個室だし。」

輝の周りにはたくさんの医療器具。

「全然平気~!俺、一昨日の夜までは発作で、こんな個室。昨日と今日は全然平気なんだけど、みんな救急が入って忙しいらしくて、放置プレイ。」

「あははは~」

「ここ、座れば?」

「うん。」

輝に示されたイスに座ると、輝のお母さんが、

「私、お昼ご飯食べてくるわね。日和ちゃん、輝の話し相手にでもなってやってくれる?」

と言って、病室から出ていった。

「はーい」













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