貧乏少女

一難去ってまた一難





困った。いや、本当に困った。

まさか、平成の時代でこんな事になるなんて。


遡る事、五時間前。




高校から帰宅すると、オンボロアパートには何もなかった、何も無いってのは家具も食材も本当に何もだ、挙げ句には布団も。ただ色褪せた畳の上にチラシの裏に書いた書き置きが


『少しの間留守にします』


いやね、小さな頃にお母さんは家を飛び出して世界を見たくなったって言って多額の借金を残してったのは知ってるよ、本当に自由通り越して貧乏神だけどね、あんた、そりゃないよ。



「………せめて、布団ぐらい置いてけや」



余りにも寂しい空間に虚しくあたしの独り言が響いた。



それが五時間前ね



「お前、飯作れる?」


「は、はい。ある程度の物なら」


現在、あたしは何故か甚平に身を包んだ幼い様な落ち着いた雰囲気の様などちらとも言える複雑な男の人と一緒にいた。


ホストなら良かった、いや良くないけど、それでも目の前の男の人はあたしの一つ上で


「若、本当にこんなちんちくりん飼うんですか?」


強面のお兄さんが若と呼んだ男の人に話しかけた。そうつまり彼は極道なのだ。


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