貧乏少女

他人の悲劇はドラマで身近な悲劇は鬱陶しい。












柑奈さんを一通り案内し終わったぐらいだった。最後に広い玄関で靴はここに置くといいかもですと言っていたら、背後からドタドタと床を蹴る様な足音が聞こえたと思ったら




「てめぇ本当に鬱陶しいんだよ」


「そんな事言ってもなぁ、俺だって未来と仲良うしたいだろ」


「そのちょくちょく入れてくる喋り方も気色悪いし、あの女を名前で呼ぶのもキモイ」



「仕方ねぇだろ。俺だって標準語喋ろうとしてんだよ、たまに出ちまうんだ。てか未来ってお前も呼びたいなら呼べよ」


「はぁ?誰が呼ぶか、死ね、お前に命令されて俺が言う事聞く訳ねぇだろ」



「おーそうか。おーい未来!!縁さんが未来の名前呼びたくないとよ」



賑やかに二人で此方に向かってくるが、凄い怪我してる様に見えるのはあたしの見間違いかな?



制服はさっき部屋に置いてきたけど、伊千香さんのジャケットは持って来ていた。



「お前等二人楽しそうだな」


「若達よりは有意義な時間を過ごせたかと」


「本当だよ。俺はこっちじゃ喧嘩しねぇ筈だったんだけどなぁ」


「凄いですね若。来て数秒で組長との約束破ってますもんね」



「うるせ」


白いTシャツはボロボロになっていた。


ん?なんか透けてる?



「あーっと。そのなんだ、そんなに間近で見られると恥ずかしいんだが」



「すすすすすいません!!ち、違うんです!!な、なななんか透けてるなって思って。すいません見過ぎでしたよね」


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