貧乏少女

他人の悲劇はドラマで身近な悲劇は鬱陶しい。 /柑奈 side













「いやぁ。流石本家組ですねぇ、料理も絶品で」


目の前に用意された数々の料理は見た目だけで、高級感溢れていた。




用意された車に乗り込み、着いた場所がここだった。高級呂亭だろ、個室に案内され明る過ぎない緋色の灯火に居心地良さを感じた。




「絶品じゃねえよ!!お前本当に置いてく馬鹿が何処に居るんだよ?!ここに来るまでどれだけの葛藤があったかお前に語ってやろうか!!」


若は大丈夫です。何処に行っても生きて行ける御方です、今回のこれも試練みたいなものです。



「試練じゃねえよ!!お前が単に待てなくて置いてっただけだろ!!」




「凄い若。貴方はいつの間にか他人の心を除く能力を手に入れたのですね」




「お前口に出してたから」



目の前に座る若は、まだ一日すら経っていないのに疲れ果てた姿でした。凄いです若、たった数時間でそんな貫禄を身に付けるなんて。



「さささ、若沢山食べて下さい。タダなので」



若は私を睨みましたが、お腹が空いていたのでしょう、お膳の前で手を合わせ「いただきます」と言った後えびの天ぷらを箸に挟んだ。



「タダより怖い物はないよな」


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