貧乏少女

下は地獄。上だって地獄。 /柑菜 side














釘を刺さなければなりませんね。






過去にも若のこの性格で勘違いした、女性がいました。若は困っている人をほっとける性格では確かにありませんが、裏社会に生きているんですよ。

そんな人が正義を振りかざしてばかりはいられません。

それだけではないんですよ、これは若に対しての歯止めでもあるんです。



長く傍にいる私だから分かる、若の違いに今の内に対処をしなければなりません。


未来さんにこんな風に言う事は酷ですが、いくら未来さんがお優しい方でも、ここは線引きをして貰わなければなりません。


変に勘違いをされてしまっては後々面倒ですしね。




私が立ち止まれば未来さんも当たり前の様に立ち止まって下さいます。彼女はよく周りを見ている方だ、私の言葉に一瞬何を言われているのか理解出来ていない様子でしたが、理解がお早い方なので直ぐに分かった様子でした。


「はい、勿論そんな失礼な事は思わないので大丈夫です」


優しい微笑みを浮かべ、心の底からの言葉に私の方が驚いてしまいました。


不快な言葉を言われている筈なのに彼女は、何とも思ってない様子で



「伊千香さんも柑菜さんもお優しいですもんね。あたしも見習いたいなぁ。あ、ち、違うんですよ!!そ、そんなおこがましく二人の様になりたいとかじゃなくて、あたしが出来る範囲でって事です」


慌てた様子で言う彼女に、私は何とも言えない気持ちになりました。





0
  • しおりをはさむ
  • 14
  • 31
/ 212ページ
このページを編集する