貧乏少女

心根





学校から帰って来てしまった縁さんは特別気にした様子もなく、家に帰ってくると甚平に着替え寝てしまった。



寝顔はどこか幼い印象だと思った、何も知らなくてこれだけ見たら天使だと勘違いするかもしれない。


テレビをつける訳にもいかないし何もする事がなくただ壁に寄り掛かり座っていた。



「なんだ、若は寝てんのか」


そう言って顔を覗かせたのは哲太さんだった、縁なし眼鏡は余計に哲太さんの鋭い目付きを引き立たせるのは充分だ。


「あー、そのなんだ、痛くねぇか?」


見た目だけで言ったら哲太さんは一番怖いのに、家に取り立てに来ていた時から酷い事はされた事がない。



「はい、大丈夫です」


頬の事を言っているんだと思う、痛いけどそれを哲太さんに言っても困らせてしまうだけだから。


哲太さんは、頭をポリポリ掻いた。



「嬢ちゃん飯食ったか?」


「今朝、縁さんにホットケーキもらいました」


「楓からは若の分しか持ってかなかったって聞いたぞ。二人で分けたのか?」


「分けたと言うか、縁さんがたまにフォークに刺してくれました」



さっきから哲太さんは、どこか落ち着かない様子だ。

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