その声であたしを呼んで


『あっ、うん…そうだね。ちょっとトイレ行こうと思って』


「あぁそうか。俺もシャワーしたらすぐ寝るから、先に寝てろよ?」


手首を掴む手が離れて、頷いた後…あたしはお手洗いに駆け込んだ。


胸に手を当てて、深呼吸。落ち着け自分。

廉は会社の吞みだったって言ってるじゃない。きっと、付き合いでキャバとかに行って…そこで女の子の香水の匂いが移っただけ。そうだよ…。


沸き上がる不信感…廉は遥とは違う。浮気なんてしない。案じるように呪文のように心で繰り返した。


言われた通り、廉のベッドで眠った。

夜中に1回目が覚めると廉はあたしを抱き締めて眠ってくれている。

ほらね…大丈夫。浮気してたら、きっとこんな風には抱きしめてくれないよ。

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