その声であたしを呼んで

*・゜最後の時間

翌日、全回復した廉は朝から部屋を掃除していた。その様子を見計らって…あたしは、廉に気付かれぬように少しずつ引っ越しの準備。



~♪~


部屋中に鳴り響く着信音。

スマホを見ると奏から。すぐ側の部屋には廉がいるが…聞こえないだろうと安易に電話に出た。


『もしもし』


「もしもし、大丈夫?」


唐突に心配の声を上げた奏。


『何が?』


「何がって、昨日アズサさんが呑みに来たから聞いた。風邪ひいて倒れたんだろ?」


わぁ…そこまで話が行ってたのね。
少しの驚きを隠して口を開いた。



『悪いんだけど…それ嘘なんだ』


「はっ?」


『廉が風邪で寝込んで。看病したくて、休んだの』


正式には休まされた…ってところだけど。


「なーんだ。そういうことか!兄貴大丈夫?」


『うん。大丈夫みたいだよ』


何だかんだ、奏は廉のことを心配してるんだね。

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