狼の花園〈完〉【修正版】



「その代わり~、お願いがあるんだけど、良い?」


「お願い…ですか?」


目を丸くした花音に、小菊は目を細めて笑う。


「あのね、秋らしい紅葉柄の着物が欲しいんだけど、新しく買うのは鈴蘭さんに駄目って言われちゃったの。

だから、既にある着物を合わせて、仕立て直したいんだけど…。」


そこまで言われて、花音は笑い返した。


「それを手伝えばいいんですね?任せて下さい!」


すると小菊は満足そうに頷く。


「さすが姫!よく分かってる!…可愛くデザインしてよね?」


「もちろん!」


花音が胸を叩くと、小菊は立ち上がって言う。


「じゃあ明日、町から帰ってきたら、どんな風にするか話し合いましょ!」


「はい!」


そう約束した小菊は部屋に戻り、花音は外出の仕度をする。


「あ、そうだ…!」


急に思い立った花音は、母から貰った御守りを取り出して、小菊に貰った巾着に入れた。


(城下町に行ったら、殿様への手拭い買って、診療所行って…。

あ、町の人が、どんな着物着てるか見ておこう!どんな着物が流行ってるか見て、デザイン考えなきゃ!)


そこまで考えて、


(って、ダメダメ!遊びに行くんじゃないんだから!)


冷静になって、ぶんぶんと首を振る。


(…でも…やっぱり楽しみかも!)


ウキウキしてきた花音は、早く布団に入ることにした。

夜になって、竜胆が遊びに来たが、


「今日はごめんなさい!トランプ貸してあげますから!」


と、トランプを貸して、部屋に帰らせた。


(さぁ、行くぞ~!城下町!)


こうして眠りについた花音は、いよいよ外出する日の朝を迎えた。


 

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