陰鬱な朝を迎えて

作者幸田

同僚の直美に誘われて、食事とお酒を付き合うことになった。

目覚まし時計の音に気づいて私は目が覚めたけれど、気分が優れない。

 部屋の窓辺に目を向けると、薄いピンクのカーテンの隙間から陽射しが差し込み、フローリングに朝のやわらかな陽だまりがみえる。窓の外は秋の晴れやかな気候なのに、目覚めの悪い朝を迎えたようだ。

 緩慢な動作でベッドから抜け出すと、私は浴室で熱めのシャワーを浴びた。けれど、洗面化粧台の前に立っても、まだ、気分がすっきりとしない。

 今日は土曜日で、健太とのデートが控えている。午前十一時に駅で待ち合わせ。駅近のショッピングモールで早めのランチをして、彼の好きな映画を観る予定になっているけれど、途中で眠ってしまいそうで不安になる。

今日、私は健太と出逢って二度目の誕生日を迎える。健太からプレゼントを受取る時、最高の笑顔で応えたいと思っている。