You're my 神様【完結】

五日目 /18

 あの後警察が駆け込んで来て、悦人は殺人未遂で現行犯逮捕された。

 潤人も重要参考人として警察署に連れて行かれた。

 事情聴取の時に潤人が警察の人に話したことと、その後あたしからのお姉ちゃんの情報と照らし合わせて、あたし達二人が出した推測での結論はこうだ。

 悦人とお姉ちゃんは同じ障害者支援施設で出会っていたんだ。

 障害者の就職サポートをしている施設があって、お姉ちゃんも両脚が機能していない車椅子の障害者だからそこに通っていた。同じ施設に悦人も行っていたらしいんだ。

 でもお姉ちゃんが悦人を知らないことからただ悦人が見かけただけなのかもしれないけど、何かで悦人とお姉ちゃんが関わって、それでお姉ちゃんに好意を持ったけど結婚のことを知って、それが病気のせいでおかしな思い込み……お姉ちゃんは結婚を嫌がっているなんて思ってしまったのかもしれないと。

 確かにそれならお姉ちゃんが悦人のことを知らなかったのに、あの悦人の言動も納得がいく。

 そのことについてはこれから警察が時間をかけてじっくりと調べていくそうだ。

 ……もし全てがあたし達の推測通りだったとしたら……統合失調症とはなんて恐ろしい病だろう。

 悦人は嘘をついているようには全然見えなかった。

 本当にお姉ちゃんが殺してほしいと言っているって信じ込んでいたんだ。

 あんな光景を目の当たりにして……正直凄く怖かった。

 怖くて……それでいて……悲しかった。

 悦人は疲れ切っていた。

 やつれ方が尋常じゃなかった。

 ずっと……ずっと一人で無数の声と闘っていたんだ。

 夜だってきっと眠れていないんだろう。

 耳を塞いでも塞いでも防ぐことの出来ない否定だらけの声。

 おかしくなってしまうのも無理はない。

 毎日、それこそ何年もその状態で普通にしていられる訳がない。

 悦人は……どんな思いを抱えて生きてきたのだろう。

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