You're my 神様【完結】

一日目 /5

 家の前の道路に停めてある白のバンにみんな次々と乗り込む。

 とにかく仕事の時間が迫ってるからと急いで家を出てきたのだ。

 あたしはみんなの後をついていくことによって、難なく家からも出られた。

 行動可能範囲が未だによく分かんないな。

 みんなが潤人の体に触ればあたしの姿が見えて声も聞こえるってことは分かったけど。

「ねぇ、今日って何のお仕事なの?」

 バンの一番後ろの席にあたしも一員かのようにちょこんと座って、隣にいる潤人に尋ねた。

「今日はMV撮影だよ」

「なに、あの子と話してんのー?」

 潤人の前の席に座っていた侑が振り向いて潤人の肩に触る。

「お、見えた。そこに座ってたんだー」

 侑は爽やかな笑顔であたしを見る。もうあたしのことが怖くないんだね。

「あの子じゃないよ、菜々花だよ」

 あたしは少しむくれて言う。

 あ~、夢だと分かってると何にも緊張しなくて済むから楽だわぁ~。

 これが現実だったらきっと固まったまま一切喋れないだろうなぁ。

「そっかー、ごめんごめん」

 にしても、侑は笑った顔が何とも言えない程素敵。

 この笑顔をテレビと違ってあたしだけの為に向けてくれるなんて……。

「何で潤人くんにだけ見えるの~?」

 潤人の隣に座るみっちゃんが身を乗り出してあたしに聞いてきた。

「分かんない。そういう設定なんじゃない?」

 しれっと答えたあたしにみっちゃんはきょとんとした。

「設定?」

「この子ずっと夢だと思ってるの」

 ちょっと呆れた顔をして潤人はあたしを指差す。

「何よ、その言い方~。だって夢なんだからしょーがないじゃない!お化けじゃないよ!」

「ハハハッ!面白いね~」

 爽やかに侑は笑う。

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