You're my 神様【完結】

二日目 /7

 それからのことは覚えていない。

 気付いたら潤人の部屋に戻っていた。

 カーテンの隙間から日射しが射し込んでいる。

 撮影終わって家に帰ってきたんだ……。

 ベッドで静かに寝息を立てている潤人を見る。

 やっぱり寝顔も素敵だなぁ……なんて冷静に考えている自分がいる。

 ベッドの脇に座って両腕だけベッドの上に乗せて頬杖ついた。

 潤人の顔が近い。

 このまま何も考えないで、ずっとこの寝顔を見つめていたいな。

 何にも……考えたくないよ……。

 声を押し殺してあたしは泣いた。

 夢じゃなかった。

 これは現実なんだ。

 何でこんなことになっちゃったんだろう。

 あたしって今生きてるって言えるのかな。

 それとももう……死んでるのかな……。

 分かんないよ……。

 もう、考えたくない……。



 ふと気配がして顔を上げると、潤人がこっちを見て、指であたしの頬に流れる涙を拭おうとしてくれていた。

 もちろん触ることは出来ないから涙を拭うことも出来ないんだけど、潤人の優しさが伝わってきてすごく嬉しかった。

「お、起きてたんだ……」

 泣き顔を見られたことが恥ずかしくて苦笑いして顔を背けた。



「……菜々花」



 あ……。

 初めて名前……呼ばれた……。

 こんな状況なのにドキドキしちゃってる自分が情けないというかなんというか……。

「今日これから雑誌のインタビューなんだけど、その後次の仕事まで少し空き時間があるから菜々花のいる病院に行こう」

「え?」

 突然の提案にあたしは驚いて振り向く。

「行って何がどうなるとかは分かんないけど……今の菜々花は魂だけこっちに来てて、体は病院なんでしょう?とにかく一度魂と体を引き合わせるべきだと思うんだ」

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