You're my 神様【完結】

四日目 /15

 午後11時。

 今日もハードな練習が終わり、更衣室へ向かう。

「菜々花、今日は帰ったら一緒に記憶を辿って犯人を思い出そう」

 更衣室の前の廊下で携帯電話を耳に当てつつ潤人が言った。

「え、いいの?」

「昨日は景が来て遊んじゃったからね……。ごめんね、菜々花の貴重な時間を」

 あたしは首を横にブルブルと振った。

 貴重な時間であることは潤人も同じ。

「ありがとう!頑張る!」

 ニコッと笑ったところで後ろから声をかけられた。

「潤人~」

 景だ。

「あのさ……今日も泊まりに行っちゃぁダメ……かな?」

 まさかの発言に、潤人よりもあたしが先に声を上げた。

「えっ、今日も?」

 つい本音が出てしまったあたしを景は目だけ動かしてチラッと見る。

 しまった、潤人のTシャツの裾をつかんでいる。聞こえちゃったんだ。

「ん~……」

 潤人も困った顔をしている。

 今日はもう予定があるんだから……来てほしくないな……。

「景、今日はね、菜々花と約束があるから……」

「約束って?」

 そう言って潤人を見る景。潤人はあたしを見た。

 え~、嫌だな。景に話さなきゃいけないの?

 でも、内緒にしたらしたで、なんかややこしくなりそうだし……。

「あたしの……お姉ちゃんを斬り付けた犯人を思い出すの……」

 渋々あたしは言った。

「え、斬り付けたって……?」

 きょとんとする景に潤人は説明しだした。

「景はニュース見ないから知らないんだね。菜々花はね、お姉さんがいきなり包丁で斬り付けられたんだ。その犯人を捕まえようとして菜々花が刺されてしまって、今この状態になってしまったんだよ」

 景に詳細は話していなかったから、とても驚いた顔をしている。

「その犯人の顔を見ているのは菜々花しかいない。でも何故か思い出せないから、それを思い出すのを協力するんだ」

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