ヤンキー・モンキー・ベイビー!

第一章ヤンキー娘、異世界に行く /そこは当たり前かと・・・

遡る事、数時間前─────



ベルナールと別れたマルクスは、ある執務室に向かっていた。
重厚な扉をノックする。


「マルクスです」

「入れ」



扉を開けると諜報部の上司アランと眼光鋭い男が居た。
その男が開口一番こう言った。


「左遷されたいか」

「行き無しそれですか」

「随分と待たされた」

「じゃ、サクッと言いますね。あの迷い人は、黒ですね」

「マルクス、端折り過ぎだ!!ゲル様にちゃんと報告せぬか!」


上司のアランがマルクスを叱りつけた。
はいはいと言わんばかりに、首を振り説明する。


「結果を先に言った方が、説明しやすいんですよ。あの迷い人の場合」

「「・・・。」」

「俺の洞察力はゲル様も知っての通りです。話せば話すほどバカで単細胞っていうのがあの迷い人の第一印象…。"あの国"が召喚したとは考えられません。知識の益にはそれはそれは程遠い存在って感じです」

「……辻褄があわんな。お前は今、黒だと言ったではないか」

「黒ですよ。間違いなくね。だって、あんな鉄の馬見た事あります?」


此処王宮の厩舎に例の鉄の馬が置いてある。得体の知れない生き物を任され、厩舎の人間は困惑していると聞いた。マルクスは続けて言う。


「それに………将軍閣下を一撃で倒したんですからね」

「「!」」


そら驚くよな(笑)


「俺が到着した時、丁度将軍閣下と模擬戦をしている最中でラッキーでしたよ。あのガントを実際どのように倒したのかが分かると思いましたからね…。見てると将軍閣下の攻撃を簡単に避け、逆に将軍を押しておりました。全く相手にしていない感じで試合が続き、マジ切れした将軍は自我を無くされました。そうなった将軍に周りが焦りを覚えるも、かの者はそれをひと蹴りで倒した時は驚くやら、興奮するやらで…そりゃあもう…………」


興奮して事細かく説明しようとしたら、スパッと話を切られた。


「黙れ。先を言え」




ゲル様の眼光の鋭さが増して、仕方なく話しの先を急いだ。

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