ヤンキー・モンキー・ベイビー!

第一章ヤンキー娘、異世界に行く /なんちゅう部屋に寝かせてんねん!!

夜遅くに、漸くラムスのおっさんの屋敷に到着した。そしてマルクスの言った通り、大雨になった。



『ただいま!フレドリックさん。これお土産や、皆で食べて。で、ラムスのおっさんは?』

「また、引きこもりになられまして・・・」



住む所が決まっていないグラン達も、ここラムス邸に暫く仮住まいとなる。
そう言う訳で、グラン達を紹介したかったのに、困った・・・。
因みに私の生理は終わっているので、おっさんの暴走の心配はない。


『お土産も買ってきたのに・・、メソメソとめんどくさいおっさんやな』


仕方なく、フレドリックさんが明日の朝食を運ぶ時に、一緒に押し入ることとなった。


『フレドリックさん、取り敢えずグラン達を部屋に案内したってくれるか?』

「畏まりました。どうぞこちらへ」

「すまぬ。暫く厄介になる。私はグラン。隣りがガントそしてビリーにディオだ」



簡単な挨拶も終わり、私も自分の部屋に戻る。
ジョアンナが、着るものと風呂の準備をして待っていてくれた。

『遅い時間にごめんな。ちゃっちゃと入って寝るだけやし、もういいで』

「お湯は少しぬるめにしておりますので、ゆっくり浸かって長旅の疲れを癒して下さい。他にもし、何かあれば遠慮なくお呼びを・・・」

『おおきに。ゆっくりさせてもらうわ。おやすみジョアンナ』

「はい。おやすみなさいませ、トーカ様」



そう言って出て行った、ジョアンナ。

住み慣れた部屋を見て、やっと帰って来た実感がわく。何やかんや言うても、私もラムス邸になじんできてるなと思う。

風呂も入って、すぐ床につく。



どのくらい経っただろうか、ふと変な気配を感じ目を覚ます。
案の定、扉から誰かが入って来るのが分かった。

思わず、狸寝入りを決め込む。



『・・・。』



3人・・いや、4人?グラン達?違うな・・。廊下には、警備人が居るはずや。こいつ等、その警備人さんをどうした?

嫌な予感がして、拳を握る。

ベットに近づく気配と視線を感じた。途端、背中に悪寒が走り、思わずベットから飛び起きた。

刹那、剣が丁度私が寝ていた場所に突き刺さったのが分かった。

間一髪である。

こういう感は昔から凄いなと自分でも思う。


侵入者を見る。黒ずくめの衣装を着ているらしく、目を凝らしても気配だけで、実態が見えない奴等がそこに居た。


『お前等、何や!』

「・・・。」

『廊下の警備人さん達どうしてん!まさか、殺してへんやろうな!』


何も答えないまま、剣を向けてきた。
俊敏な動きで私めがけて来よることに驚いた。


『お、お前等、私は素手で、そっちは武器持ってるって卑怯やないか!』



際際で剣を避けながら、必死に部屋から出ようとするが、こいつ等が邪魔して中々扉まで行きつけない。

しかも大きい声を出しても、この大雨と広い屋敷の為届くはずもない。仕方なく、1人でやるしかないかと心を決めた。


ターゲットを1人に絞り、その1人に向かって猛突進する。
壁に激突した為、調度品が割れる音がした。思わず"弁償"の二文字が頭を過る。
どうか高価な物でありませんようにと願いながら、気絶した奴の剣を取る。

しかし剣を構えたはいいが、日本刀のように峰内が出来る片刃でない洋剣に、もしかしたら斬らなければいけないかと思うと躊躇した。

そんな躊躇も扉が開いた事で、ほっと胸を撫で下ろす。引きこもりのおっさんが剣を持って立っていたからだ。後ろにはグラン達と警備人達。

私の状況を見るや否や、黒装束と私の間に入ってすぐに剣を交えた。

フレドリックさんが私を呼ぶ声が聞こえ、慌ててそちらに走る。
それを見た黒装束の奴等も剣を交えながら、私の後を追おうとしたのを見て、グランが吠えた。



「お前達、余裕だな。その余裕も無くしてやろう!!」

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