ヤンキー・モンキー・ベイビー!

第一章ヤンキー娘、異世界に行く /それぞれの愛の形と立場

大雨の中、フードを被り急いで馬を走らす。


トーカ殿に何があった?!



王城から、夜も明けない時間にすぐラムス邸に向かうよう指示が来た。
マルクスは、同時刻ゲル様から呼び出されたという。

遠くに見えたラムス邸が暗闇の中、そこだけが屋敷に火をともしていた。
物凄い警備に何かがあったとすぐ分かる。




数時間前、俺達はトーカ殿と別れたばかりだ。



"ほな、また明日な。おやすみ!ベルナール、マルクス・・・・"
そう言って笑顔で別れた。



手綱を持つ手が震える。
怖い・・怖い、怖い────────


それは、初めて感じる怖さだ。息苦しく、死にそうな感覚に自分自身でも動揺していた。




屋敷に着き扉付近にいた、メイドにすぐ声を掛ける。


「くっ、トーカ殿はっ!!」

「ベルナール様っ!!トーカ様はご無事です。ご案内いたします。こちらです!」

「悪いが、急いでくれ。今にも・・・」


その後に続く、死にそうだと言う個人的な言葉を飲んだ。
そして、メイドが早足で行く後を追う。



***



結局、ラムスのおっさんへの怒りと、命を狙われたという興奮で眠れずグラン達と紅茶を飲んでいると、扉が勢いよく開いた。



「トーカ殿!!」

『あっ、ベルナール。さっきぶ・・///りっ』



走り寄り、力の限り抱きしめられ、死ぬかと思った・・・と耳元で言われた。
私は逆に、ベルさんの筋肉質な胸に鼻が潰れ、息が出来ずに私が・・死ぬ思いをしている・・・。

顔を何とか横に向けて酸素を確保する。顔を横に向けた事で、ベルさんの早く打つ心音が聞こえ、あぁ・・心配してくれてたんやなと理解した。その思いに思わず、胸が熱くなった。


されるがままになっていると、片方の手が腰に回った。その態勢でもう一度ギュッとされる。

さっきとニュアンスが違う抱き方に違和感を感じると、腹付近に異物を感じた。

その異物が警棒であって欲しいと思い、後ろ手でベルさんがベルトをしてるかを確認する。そして警棒を引っかけるベルトが無いと確認できた。


ベルさん・・、家出てくる時に股間に武器を所持して来た・・っちゅう事はないな。
という事で・・・、これは男の武器・・って事になる。


スンスンと私の匂いを嗅いでいるベルさん。
マルクスに言われた事を思い出す。




"常に匂いが微妙に出てて興奮を呼び起こす・・・"




やばい、やばすぎるぞ。

まずこの警棒から距離を置こうと、腕でベルさんの腹を押した。が、逆にベルさんにその行動を予測され、ガッチリとホールドされた。そのため手が警棒に当たる。


『///げっ!』


途端、警棒がバットに変わった。

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