白雪姫とヴァンパイア(1)【完】

プロローグ

白井由季(しらいゆき)。

だから昔に言われたんだ……「まるで白雪姫みたいだね」って。
けれども実際の私ときたら、お姫様には程遠い。

皆が好きなのは可愛いあの子。
平凡な私は嫉妬もされることはなく、ただ遠巻きに特別なあの子を見てるだけ。

勉強も、運動も、性格も……外見にだって、特別なものは何もない。
どんなに頑張って努力をしても、一つもあの子に敵わない。

御伽噺の王子様が現れたって、あの子のことをきっと好きになるんだろう。
……そんなこと、小さな頃から分かってた。


それでも、心の奥では、今でもずっと願ってる。
──私のことを選んでくれる誰かが現れることを。

あの子じゃなくて、他の誰かでもなくて……私のことを選んでくれる、たった一人の王子様。


そんな誰かが、もしも現れてくれたなら、私は信じられるかな。


ずっと一緒にいられることを。

ずっと幸せに過ごせることを。


まるでお伽話の終わりのように、未来を信じられるかな……


鏡よ鏡。
世界で一番美しいのが誰であっても構わない。

だから教えて。

それが天使でも、悪魔でも、人間でも、幽霊でも、魔法使いでも、怖い竜でも──吸血鬼だって、構わない。

だから、教えて。


この世界で、私のことを永遠に愛してくれるのはだあれ?

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