白雪姫とヴァンパイア(1)【完】

第二章 目覚めゆくもの /弱点


朔ちゃんと別れた後、私と月はまた屋上に来た。

朔ちゃんは、空き教室でまた占うことがあるみたい。
……それにしても、魔女か……
気付いてもよさそうなものなのに、何で私は気付かなかったのかな……うーん……

ちなみに月は一度飛び降りてきた三階に戻った。
何でも、お弁当を入れたバッグを放って飛び降りたらしい。



そして今、私の前には昨日と変わらないお重みたいなお弁当箱が一段分差し出されてる。

「ほら」

「ありがとう」

お礼を言って受け取ったそれは、少しだけ重め。
けれども朝食を食べてない私には丁度良い量だ。

パカリと蓋を開けてみれば、綺麗に詰められた色とりどりのおかずが目に飛び込んできた。

「わっ……!」

まず視覚で満足させるようなそれに、思わず感嘆の声が出る。

というかこれ本当に美味しそうなんだけど、良いんだよね?
月が持ってるのが月の分なんだろうし、良いよね? 食べちゃうよ? よし食べよう!

「いただきます!」

手を合わせてから、真っ先にピカタへと箸を伸ばした。

ちょっと持ち上げて軽く眺める。
これまた美味しそうな色合いだ。

好物の一つであるそれを、私は一口かじった。

「──美味しいっ!」

それしか言えない。
味付けって人それぞれ好みがあると思うけど、これはもう私の好みのど真ん中ストレートだ。
思わず頬が緩む私を見て、月が静かに微笑する。

「口に合ったか?」

「うん!」

「そうか……なら良かった」

少しだけ安心したみたいに言って、月は自分の分を食べ始めた。

月のお弁当の中身は、私のとは少し違う。
……もしかして、わざわざ私の分を別に作ったのかな。

そう考えると、仮にも女なのに男の子に作らせて、挙句タダで貰ってる自分が申し訳なくなってくる。

……というか、普通逆だよね、立場としては。
いや、叔母さんが私を台所に入れたくないみたいだから仕方ないんだけど……

それにこのお弁当、普通に売れる気がするし。
それをタダで貰ってるっていうのも……
でもなぁ……お金払うにしても、お小遣い貰ってないし……

考えれば考えるほど落ち込んできて、私は項垂れるしかなかった。

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