白雪姫とヴァンパイア(1)【完】

第三章 君との絆、繋ぐのは /夜明け前



「どうしてあたしと一緒にいるの?」


放課後の教室。

尋ねる声は、沈んでいて。

そう質問した横顔は、決して私を見ようとしない。


どうして、と。

尋ねられた理由を、当時の私は分からなかった。

今からすれば、自分の鈍さが恥かしい。

質問した方の気持ちも理解せず、私はただ首を傾げて。


「なっちゃんと一緒にいたいからだよ?」


答えにもならない返事をした。

それに、彼女は目を見開いて。


「あたしと?」


信じられない、とでも言いたげな彼女に。

私は、笑って一つ頷いた。


「だって、なっちゃんは優しいから」


彼女の気持ちなんて、分かってなかった。

何一つ、理解してなかったんだろう。

当時の、私は。


「だから、私はなっちゃんが大好きで、一緒にいると楽しいから」


だから。


そう言った私に、しばらく呆然とした後。


ぼたぼたと涙を流した彼女のことを。


私は、理解していなかったんだと思う。



……当時の私は、何一つ。

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