白雪姫とヴァンパイア(1)【完】


静かなままの、教室。

月は、私から受け取ったノートを眺め。
他の子は、未だに月を見たまま動かない。

そんな中。
私の隣……月の横へと、誰かが立った。

見上げた先にある、黒い瞳。
感情の読めない笑顔を浮かべた、倉前くんがそこにいて。

「初めまして、かな?」

おどけたように、少しだけ首を傾げて月を見る。

「オレ、倉前梓」

「……どうも」

名乗る倉前くん。
それに対する月も、感情の読めない声と表情で。

「白井と知り合いなんだってな」

「……ああ」

チラリと、私に視線を向けた倉前くん。
それにならって、月も一度私を見た。

肯定した月に、倉前くんは笑顔を向ける。

「オレも白井と同中なんだ。ま、クラスメイトだし、これからよろしく」

「……ああ」

差し出された、倉前くんの手。
その笑顔に、差し出された手に、月は静かに視線を向けて。

「……こちらこそ、よろしく」

その手を取った、月の表情は。

今までみたどれとも違う、薄い、静かな笑みだった。




(浮かべた笑顔の裏側に)
(私達は、何を隠してるんだろう)


title by 確かに恋だった

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