端役の気持ち

中学生の頃の私


 傾国の美女と謳われた私の母はそれは
それは綺麗だったらしい。



「亡くなった姐さんに良く似ていらっしゃる。」



私を見る度に母を知る人達が感嘆するように
呟いていく。



男は眩しいものでも見るように女は嫉妬の炎を
チラつかせるように。


まだ年端もいかない私に母の面影を
重ね素通りしていくのだ。



私自身を見ずに。




珍しく近くにいる父親の無関心にも傷ついたけど
周囲の態度にはもっと傷ついた。




まだ中学に上がったばかりの私に豪華に誂えた振袖は
何だか不似合いな気がして。



大人ばかりの園遊会でただひたすら浮いていた。



それでも我慢出来たのは時々気遣ってくれる
瑞貴がいて律や薫がいたから。







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