《壱の調》 音 階(おんかい)

作者彩 愛 美



もう何段

この階段を

登り降りしたのだろう

心に軋む音板の

それぞれに

違う声色を

何時から

楽しむように

なったのだろう


ゆっくりだったり

急いだりして

時々に微妙に

変わる音域のズレをも

ようやく

気付くようになった

今日は何段

行き来するのだろう