キミは誰と恋をする?【完】

おまけ /1月1日



年明けver 高校2年のシグレと高校1年の真綾


「あれ?いつ、しー兄帰ってきたんだろう?」


私服のままソファで寝ている兄を見つけ、冷えた部屋にエアコンとホットカーペットをつけた。
1月1日、残念ながら曇り空。


仰向きで休むしー兄に、半分落ちていた毛布をかけ直す。
『No name』に入って一年半。
しー兄の忙しさは尋常じゃない。


本人は陽気に毎日を過ごしているけど、何せ休みが少ない。


しゃがんで、いつも頑張っているしー兄の顔をまじまじと見る。


「んー」


視線に気付いてか、顔をしかめる。
けど、まだ夢のなか。


「黙っていれば、格好いいのに」


正月早々失礼なことを言うかもしれないが、本音がぽろりと零れた。


温まったホットカーペットの上に、ごろりと寝転がって暖をとる。


正月特有の静かな朝に、私は目を瞑り、夢へと堕ちる。


「………」


再び、静かになった部屋。
むくりと、シグレが起き上がった。


体育祭、修学旅行、クリスマスといった行事の日は、寝付けない。


何か楽しいことが起こるのではないかと興奮して、眠りが浅い。
それは、正月もしかり。


「真綾ー、『格好いい』とかちゃんと本人が起きてる時に面と向かって言ってくれないと、」


カーペットで丸くなる真綾に向かって、言葉を吐き出す。


「そんな所が可愛いんだけどっと」


自分に掛けてくれた毛布を真綾にかけ直す。
すやすや眠る真綾。


気持ち良さそうだなー、っと思わず、シグレは真綾の隣に入り、一緒に寝出した。


「今年も面白い年になりますように」


真綾の顔を見て、シグレは今年の願いを囁く。


(んでもっと、来年もこの顔が見れますように)


横向いて、真綾の頭を優しく撫でる。


底冷えの正月のゆっくりと流れた優しい一時。
兄っぽいシグレと、いつも通りの真綾の1月1日。





その後。


「シグレ、邪魔。」


「痛って、ヒィ君もうちょい優しく起こして?」


真綾とシグレとのわすがな隙間に、クッションを投げ込まれ、シグレの顔面にクリーンヒットした。


「正月早々何やってんだか……」


ちょっと嫉妬した弟が可愛いと思うシグレであった。

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