キミは誰と恋をする?【完】

おまけ /初詣?

お正月ver カケル


「さ、寒い」


ひんやりを通り越して、かなり冷えた風が痛い。
一月の四週目、最後の日曜日になるちょうど10分前。


(なんで、私こんなところにいるんだろう……)


ポケットにいれたカイロを握りしめ、悲しくなってきた。


「や、お待たせ」


凛とした声が私の元に届いた。


「おっそいですよ、カケルさん」


そう、私は自称爽やかイケメンに、呼び出しをくらっていた。


「こんな夜遅くに呼び出すなんて、男としてどうなんですか?」


「初詣行ってないなーって思って、都合がいい女の子を呼んだだけなのに…」


「初詣ってタイミングじゃないですけどね!!


しかも、都合がいいって、脅して呼び出しただけじゃないですか!?」


そう私がそろそろ寝ようかなと思って、携帯を開いたのが間違いだった。


(今から神社に来てくれないと、絵馬にあることないこと書くかもねって何よ!!)


そんな素振りを見せずに、隣でにっこりと笑う彼。


「不審者に襲われたら、責任とってもらうところでした」


恨めしく、意地悪な彼に意地悪を言う。


「責任?ちゃんととるよー」


(軽っ)


「でも、こんなに寒いと不審者も家でぬくぬくしてると思うけど?」


た、確かに、ここに来るまで人一人すれ違わなかった。


(確信犯だ……)


「もう、いいです……。

さっさと参って帰りましょう。」


盛大なため息を吐き出して、神社の中に入ろうとする。


(本当に今更過ぎでしょう……)


「真綾、」


名前を呼ばれて振り返ろうとした。
が、その前に、カケルさんの右腕は私の右肩を包み込みように固定させた。

そして、耳もとで、


「今日は来てくれてありがとう。


女の子との約束で一回遅刻してきてみたかったんだ」


紳士な彼の、紳士的でない甘い一言。
彼が女の子との約束を守らない訳がない。


「喜んでもらえて何よりですねー」


そんな態度に慣れてしまった私は、軽く流した。


「今年もよろしくね」


私の無愛想な態度に、彼はくすくす笑って、新年(?)の挨拶をしてくれる。


「ほどほどに、よろしくお願いします」


とりあえず、新年の挨拶を返してみた。


その瞬間に見た、カケルさんの和らいだ顔に驚きつつも私は彼と神社に参ったのだった。

0
  • しおりをはさむ
  • 360
  • 994
/ 422ページ
このページを編集する