アザレアが咲いている。

曖昧な関係





***
 
 

 
あれからしばらく恭の部屋に篭って、恭が帰ってくるまで適当に時間を潰していた。
 


 
基本的に物がないせいでニュースしかやっていないテレビをぼーっと見続けるだけの時間。
 
 
 
こんなに何もしない時間なんて一体いつぶりだろう、なんて思いながら待っていたけど、結局夕食も広間には呼ばれなかった。

 
 
 
…別にそれは想定内だったし、そんなに食べなくても苦じゃなかったからどうってことはないんだけど。
 
 
 

昼間、あれだけ邪険に思われていることを聞いたらどうしても色々疑ってしまい、持って来てくれた昼食には手をつけられず。

 
 
…恭の仲間だからあまり疑いたくはないけど、やっぱり不安だし。
 
 

 

結局、
 

 
「粗末にしてごめんなさい」
 
 
 
食べ物には申し訳ないけど、中身はすべてトイレに流した。
 

 
そして夕方頃に食器を廊下の隅に置いてシャワーに向かう。
 
 
勝手に使っていいかわからなかったけど汗かいて気持ち悪かったし、遠慮なく使わせてもらい、さっぱりして帰ってきた頃には食器は片付けられ代わりに皿に乗った不恰好なおにぎりが置かれていた。
 
 
 
しかものり付き。まさかの高待遇。

 
 



「…下剤とか入ってないよね?」

 

 
てっきり夕飯は抜きかと思っていただけに、目の前のおにぎりにきょとんとしてしまう。
 
 
米はパサパサ、しかも形も歪ですごく不恰好だから新手の嫌がらせか?と一瞬思ったものの、添えられているメモを見つけてふっ、と笑みがこぼれた。
 
 
 
……どうやら味方もいるらしい。
 
 
 

 
このおにぎりは安全みたいだし、お言葉に甘えて食べさせてもらおうとメモをポケットに入れて立ち上がる。
 
 
すると、タイミングを見計らったように凛、と名前を呼ばれてゆっくりと振り返った。
 
 
 
 
 
 
「こんなとこで何やってんだ」
 
 
「………恭」
 
 

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