ファシネーション【完】

第4章 /皇



朝。安心しきったようにぐっすり眠りこけている大和くんの身体を強めに揺する。



「大和くん。大和くん。家に帰らなくちゃ」


「……んんー。菜緒ちゃん……」



目を瞑ったまま抱きついてくる。
可愛いけど、可愛いけど……流されないぞ。


私はこの人の妻。管理してあげなくちゃ。



「ねぇ、そろそろ出ないと、お味噌汁作りはぐっちゃう」


「んあっ!? それはいかん!!」



寝ぼけ眼でガバッと起き上がる。
ぷぷ、上手いことつられてるし。可愛いなぁ。






私が服を着ている間、大和くんはベッドの端で裸のままタバコを吸って脳を起こしていた。



「大和くん」


「ん?」



カシャッ。不意打ちで写真を撮る。


真顔の大和くんに、私は笑いかけた。



「目、覚めてきた?」


「……ビミョーに」

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