オネエ系男子攻略法

10.不機嫌

エレベーターで3階まで上がると、扉が開いて直ぐに七瀬の声がした。

えっ?七瀬帰ってきてるの…?

ここのフロアには営業部の二課と三課、後は資料室がある。

資料室の前で、吉田さんと楽しそうに笑う七瀬が見えた。

…何で二人がここに居るんだろう。

まだ二人ともこっちに気付いていない様だったので、何となく気付かれたくなくてそっと戻ろうとしたら、タイミング悪く武藤君が二課の出入口で私に気付いた。


「島崎、ごめーん。またこの書類C商事に送っててー」

「ちょっ…武藤君っ!!」


慌てて小声で二課の課内に武藤君を引っ張る。

…と、後ろから七瀬が声をかけてきた。


「あら、七美?アンタ探したのよ!どこ行ってたのよ?」


ゔっ…

七瀬に気付かれて、思わずビクッと肩が上がってしまった。

ゆっくり振り向いてつい苦笑いしてしまう。


「あ、あー、七瀬戻ってたんだね?明日じゃなかったの?」


そう言った私の言葉に、一瞬七瀬の眉がピクリと反応する。若干眉間にシワを寄せて少し目を細めながら、七瀬がこっちに向かって歩いてきた。

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