オネエ系男子攻略法

17.七瀬の秘密

あの日、サオリ達と東京まで戻って来たけれど、その後一緒に出掛ける余裕なんて気持ち的になくて、真っ直ぐ家まで帰った。

七瀬と一緒に抜け出した事を唯一知っていた文也は、私を心配してくれたけれど、話せるはずもなくて一人モンモンとしたまま過ごした。

今度こそ、本当に七瀬とは終わった。
もうきっと、今度ばかりは元には戻れない。




憂鬱な気持ちを抱えたまま、月曜日を迎えてしまった。

今日まで七瀬は出張でいないはず。けど、もう今の私には関係ない。…きっと、七瀬は帰ってきた所で、私とは会ってはくれないだろうから。


はぁー、と溜息をついた時、お昼のチャイムが社内に響き渡る。


「島崎、一緒に昼行かない?手伝ってくれたお礼に奢るからさ。」


武藤君が珍しく声を掛けてきた。
確かに今日手伝った仕事の量は半端なかったけど、私も現実逃避に丁度良かったからなんとも言えなくて返事に困った。

それに、昨日の今日でまだ誰かと楽しく昼食なんて気分にもなれなかったので、断ろうかなと思ったら、



「七美、いる?」




二課の入口にいた営業と話しているようで姿は確認出来なかったけれど、何故か出張でいないはずの七瀬の声が聞こえてきて、思わず武藤君の背に隠れてしまった。

0
  • しおりをはさむ
  • 447
  • 5304
/ 257ページ
このページを編集する