上司が眼鏡を外す時

上司が眼鏡を外す時

私は、部長のある"クセ"に密かに気付いてしまった。



「おい結城。俺の前でぼーっとすんな。早く仕事しろ。」


「ひぇっ!す、すみません!」



その部長に怒られ小さくなる私、結城沙織。


社会人2年目。
後輩を持つようになって早3ヶ月。


未だに"パソコン操作が遅いから"という理由で、部長の正面の席に座らせられています。


「これじゃあ四六時中監視されているようなもんだよ…」


エクセルを慣れない手つきで操作しながらポツリと呟く。


「ゆーうーきー?」


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。」


地獄耳。
しっかり拾われていて顔面蒼白。


口は悪いし態度はでかいし、仕事だってできないと厳しく怒られる。

他の課の同期は、「部長運最悪だな結城」ってよく飲み会で言ってくるけど、私はそこまででもないと思っている。



だってほら、イケメンだし。



パソコンの横から部長に視線を向ける。


入社4年目で部長へ、スピード出世だと聞いた。
それから今年で2年。つまり30歳。
正直、30歳には見えないくらい若い。



切れ長の目は二重にで長い睫毛。
すらっと伸びる手足にスーツの下はきっと筋肉質。

顔のパーツがはっきりしていて、スタイルもいい。



この容姿で、まるでドSの様な態度。
そして私が気付いたその"クセ"がまたレアなんです。

0
  • しおりをはさむ
  • 1
  • 0
/ 6ページ
このページを編集する