狼とシンデレラ 【完】

傍観者 /似ているよ

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バタンッ


黒塗りのフルスモークの車内に乗り込むと先に乗っていた彼が口を開いた


「睦月遅かったじゃねーか」

彼はそう言うと運転手に出せとドスの聞いた声で命令した



「あ〜同じ学校のやつらがわざわざ後をつけてきてたみたいで僕のカバンに売り物の本を入れて万引き犯に仕立て上げようとしてきたんだ」


「は!?」


「睦月くんどういう事ですか!?」


隣に座る男と運転手が大声で叫ぶ


「でも目撃者がいてその人が誤解を説いてくれたんだ」



僕がそう言うと二人は安堵のため息をついた


「そのお方は?」

「車で送るって言ったのに帰っちゃっ…あ!!!!いた!!!」


僕を助けてくれたお姉さんが反対車線の方で信号待ちをしている
ここからだと声をかけても絶対に聞こえないだろう


「あ?どれだよ」

隣に座る男が深々と座っていた腰を少し上げた


「あっちで信号待ちしてる桜凛学園の制服の人。同じ学校でしょ?見たことある?」

僕の問いにしばらく考え込んでいる様子

「いや、しらねーな」



まあそれもそうだろう。彼らは名ばかりの在籍で授業なんか出ないもんね。仮に同じクラスメイトだとしても彼は同じ言葉を発するはず




「あの人、なんだか少し…アキラみたいだった」

僕の発言に運転手が急ブレーキを踏んだ


キキキィィイイ


「おい!タケ!」

「す、すみません!」


無理もない





「アキラ?どこがだよ」



「ユズルお兄ちゃんも話せばきっとわかるよ」







名前、聞けばよかった

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