狼とシンデレラ 【完】

大事な過去の思い出 /僕が俺になった日



「聞かせてほしい、アキラさんとの出会い」

「ああ」




ユズルが目をつむった











ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






僕にはいつも東条の者がついていた


そう、見張りだ



僕が物心ついた時には既にSPが何人もいたし、それが当たり前で尚かつ正しい事は知っていた

東条の息子を誘拐すれば最高額の身代金を要求できるだろう


だがそれは僕に力がないからだとも知っていた



「僕に力があれば…」

「譲おぼっちゃま?」

「なんでもない」



力が欲しい

立場じゃないんだ、一人で出歩いていても襲われないような



テレビで見たことがあるんだ

子供が一人でおつかいにいく番組


物を買いに行くだけで凄く褒められる子供

物を買いに行くだけで凄く感動する両親



幸せの極みじゃないか


僕は跡取りとしてどんだけ頑張っても無理なんだ
褒められた事なんて一度もない






「褒められたいなんて言えないもんね」

「譲おぼっちゃま?」

「なんでもない」

0
  • しおりをはさむ
  • 219
  • 73
/ 463ページ
このページを編集する