甘い執事と秘密の恋

平日は /瑠衣Side

授業も終わり放課後。



数学の時間、朝の宣言通り文ちゃんはしっかり寝ていた。


文ちゃんの席は私の前なので、先生にバレないように教科書を立てて、腕を枕にして寝ているのが目に入る。


古典的なやり方に先生を誤魔化せる筈も無くて…。


眉間に皺を寄せて鋭い目をして文ちゃんを見ている先生に、私は慌てて起こそうと腕を伸ばした。

けれど文ちゃんに触れる前に先生の目が私に向いて、怖さからとっさに教科書を持ち上げて顔を隠した。


先生は深い溜息を吐くと、何も云わずに授業に戻った。



「(先生のあの目、怖かった…)」



部活に向かう人、友達同士で喋っている人が居る中、帰る為に教科書を鞄に仕舞っていると腕を机にぐでーっと伸ばしていた文ちゃんがガバッと起き上がり、肘を椅子に乗せて私の方へ振り向いた。

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