絶対的魔王様【完】

魔王様・響生。


傲慢鬼畜で我が道を行く男。そんな男に掴まって逃げられるわけなんてない。


なににも興味がない男が興味を持った。掴まったあとは、飼い殺しの道しかない。



それでも甘やかされて、大事にされて。誰よりも愛されたら、それは十分『幸せ』だ。




「―――響生」


南側の縁側に立っていた響生の背中に声をかける。


振り返ったその腕の中に飛び込めば、しっかりと背中に回る腕。




「響生」



堕ちたら最後、もう戻れないけれど。戻らなくていい気がする。


この腕に掴まったら、もう逃げられはしないから。




「―――愛してる」




その言葉を口にすれば。


綺麗な顔が驚きに染まって、ゆっくりと笑みに変わった。
















(ほら、これでもう逃げ道は閉ざされた)



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