絶対的魔王様【完】

みんな、実は狸

季節は春。


さわさわと春風が木の葉を揺らして涼しげに見える。



珍しく響生のどでかい家にお邪魔した私は、お義母様とともに縁側に座って贅沢な日本庭園みたいな庭を見ていた。



「そろそろね、真夜さん」

「はい」



響生に妊娠させられて、私がさらりと受け入れて結納・結婚式を済ませた冬は瞬く間に過ぎ去った。


春と言ってももうすぐ夏が来る。まるで駆け足のような目まぐるしさに「もうなんだ」と思うこともしばしば。




「予定日は8月よね?」

「はい」



8月。響生が生まれた月で、夏真っ盛りの時期。

確かにあの男を見ていたら夏生まれなのは分かるけど、まさか子供まで同じ月とはな。



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