夜の牙 上 【完】

第二章 /損失




―――今日は12月3日。



黒のチェック柄のマフラーを巻いて、私は家を出た。



吐く息は白い。



刺すように冷たい空気から逃れるように、私はダウンジャケットのポケットに手を突っ込んだ。



ウォークマンで、世界を遮断するようにして歩く。



小さくも大きくもない音量で流れる音楽は、英語で半分以上は何を言っているのかわからない。



今まで、わかりやすい所謂日本語英語という物しか知らなかったから。



でも、どうしてだろう。



この意味がわからない英語の歌が、私は大好きだった。



きっかけなのかもしれない。



この歌を教えてくれたのは、トワだから。




0
  • しおりをはさむ
  • 4215
  • 21777
/ 413ページ
このページを編集する