夜の牙 上 【完】

第一章 /救出







ふらふら、ふらふら。



薄汚れたベンチに座って、治安の悪い繁華街を眺める。



ここでは、制服も珍しい。



道行く人が、一度は私に視線を向けた。

その人たちは大体、派手な髪色に同じく派手な服を着ている。



時々、仕事終わりらしいサラリーマンやOLが急ぎ足で過ぎて行く。



私は歩いて歩いて、いつの間にか無法までやって来ていた。



昨日から感じていたけれど、まるで体の大事な部分がなくなったみたいだ。



思考がぼやける。



何も考えていないのに涙が滲むし、妙に消えてしまいたいという衝動に駆られる。





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