夜の牙 上 【完】
第一章 /証し
―――トン、
ふわりと体が浮いて、そっと下ろされた。
塞いでいた耳を自由にすれば、喧騒はどこか遠くで響いているだけだった。
薄ら開けた視界には。
「、ぅわっ」
「その反応傷つくわ~」
飄々と笑う豹のドアップ。
飄々と笑う豹って、なんか駄洒落みたい。
…どうでもいいか。
「座りなよ」
後ろの、色とりどりの花が咲いた花壇を示した豹に、私は恐る恐る花壇に座った。
私の前にしゃがみ込んだ豹。
そんなに高くない花壇で、私が少しだけ豹を見下ろすようになる。
あらすじ
寂しいのに泣く事も許されない私を抱き締めたのは、牙を持もった甘い男。
この作品のレビュー
総合ランキング3位獲得!(2012年09月)
Twitter▷@sealoveblooming
更新情報その他
ぷらいべったー
あんなことやこんなこと