夜の牙 上 【完】

第一章 /証し







―――トン、



ふわりと体が浮いて、そっと下ろされた。



塞いでいた耳を自由にすれば、喧騒はどこか遠くで響いているだけだった。



薄ら開けた視界には。



「、ぅわっ」


「その反応傷つくわ~」



飄々と笑う豹のドアップ。



飄々と笑う豹って、なんか駄洒落みたい。


…どうでもいいか。



「座りなよ」



後ろの、色とりどりの花が咲いた花壇を示した豹に、私は恐る恐る花壇に座った。



私の前にしゃがみ込んだ豹。


そんなに高くない花壇で、私が少しだけ豹を見下ろすようになる。





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