夜の牙 下 【完】

第六章 /キス






「…藍」


「…なによ」



不貞腐れた表情で私を覗き込む豹に、私も不貞腐れた表情で返事をした。



「藍、変」


「…失礼でしょ、それ」


「だって変だから」


「変じゃない」



…とは言えないかもしれない。



そうだ。



私は変だ。



…今のは決して、変人宣言ではない事を確認しておこう。




ただ、どこからどこまで自分で抱えればいいものなのか、わからなくなってきたのだ。





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