夜の牙 下 【完】

第七章 /脅迫







まさに極悪非道な笑みを浮かべて、悠理くんは足を組んだ。



「ごめんね、藍ちゃん」



それを突っ立ったまま見やり、私は表情を変えずに答えた。



「何が」


「君の大事な大事な豹を傷つけたり、奇襲したり」


「やっぱり悠理くんだったんだ」


「うん」



皮肉めいた表情の悠理くんの顔面を、私は一発殴ってやりたい衝動に駆られる。



私はいつからこんなに野蛮になった。



「ならもっと誠意を持って謝ってほしいんだけど」


「まあまあ、そう怒らないで」



ここは図書室。


放課後になり、私はもしかすればここにいるかもしれないと悠理くんに会いに来たのだ。



昨日の件について、一体何がしたかったのか。



それを尋ねれば、悠理くんは少しだけ、たじろぐように私から目を逸らした。





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