夜の牙 下 【完】

第五章 /事実







「なに、言ってるんですか?」



私はぽつりと言った。



「十和が自殺したのは、貴方たちのせいって…。私は貴方たちなんて知らない」


「でも、僕たちは君を知ってる」



これから何かを話すのか、彼は壁にゆったりともたれた。



私は、自分が立っていられるのかもわからなくなり、壁ももたれてしゃがみ込む。



「急にこんな話して、ごめんなさい」


「…」


「でもね、早く言わないと、悠理さんが言ってしまうと思ったから」


「……悠理くんが…?」



俯いていた顔を上げて、彼へ目を向ける。



「僕は悠理さんに逆らえないから」





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