夜の牙 下 【完】

第六章 /時下






「すみませんっ」



私は勢いよくドアを開けた。



うるさく鳴ったドアのベルも気にせず、店内に入る。



カウンターでコーヒーを飲んでいた朔也さんは顔を顰め、輝くんは大きく瞬きをする。


美希さんは、カウンターの中で何かを作っている様子だった。



そして、私が探している人はいない。



「豹、いませんかっ?」



尋ねた私に、朔也さんは無表情でコーヒーを飲む。


輝くんは、不思議そうな表情で答えた。



「多分、2階にいるけど」


「そ、そっか」



なぜかどもった私は「失礼します」と、ここの主人に軽く断って、2階へ上がらせてもらった。





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