4人の狼と囚われの子羊。 【完】

朱に交われば赤くなる /スミレの場合。 1




週末、あたしは友達と出掛け、その帰り道、何気なくシーフォートホテルの近くに行った。





バイトが終わって以来、ずっと来てなかったからなぁ…。



何か、懐かしい気がしてしまった。



その気持ちに引っ張られてか、あたしは気付けばシーフォートのドアをくぐっていた。





「こんにちは」



当然のように掛けられた声。



振り返ると、コンシェルジュの依田さんが立っている。



「あ。こんにちは…」


あたしはぺこり、と頭を下げた。



依田さんはあたしがバイトしてる最中、よく顔を出してくれて、あたしを見守ってくれてた。



本当に素敵な人だ…。





「どうかしたの?お母さんか蜂谷さんに用事?」


依田さんは優しくそう訊いてくれた。






…そうだよね。



高校生のあたしがこんなところ気軽に来ちゃいけないのに…。







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