4人の狼と囚われの子羊。 【完】

朱に交われば赤くなる /ヒロの場合。







「……」



長い睫毛が揺れる。



綺麗な横顔は何故か、憂いを含んでいるように見えた。





おれは夕食の準備をしながら、横に立つスミレの顔を眺めていた。



当のスミレは、もやしのヒゲを取りながら、時々手を止めて、はぁ、と小さなため息を何度も吐いていた…。





何か、あったんだ。



それは分かってた。



週末からスミレの様子がおかしかった。



学校でも家でも、時々考え込んで…ため息を吐く。





…おれ達と初めて会ったあの日のように…。



最近はそんな顔、見せなくなってたのに…。



心配、だけど…その理由を訊いちゃいけない、っておれの中で警鐘が鳴っていた。



だけど…今は家に2人きり。



訊くなら今しかない。






「スミレ」



「………え?」





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