4人の狼と囚われの子羊。 【完】

青は藍より出でて藍より青し /ショウの場合。






「スミレ。ちょっといい?」



おれはリビングから自分の部屋に帰ろうとしていたスミレを呼び止めた。





「……はい」


スミレはリビングを気にしながら頷いた。



まだリビングで騒いでいる兄弟達。



今日は久し振りに父さんが早く帰ってきたから…まだ話は尽きないだろう。



「…おれの部屋でいいかな…」


そう訊いたおれに、少し、困ったような顔をしながら、スミレは頷いた。



「ドアは開けておくから…」



階段を上がって、スミレを部屋に通す。





「どうぞ」


そう言ったおれの前を通るスミレからふわり、といい香り。



嫌でも“あの日”を思い出す…。





初めて仕事で大きな失敗をしたあの日。



慰めてくれた彼女にも当たり散らし、ケンカして…。



たんまりビールを買い込み、フラフラとあの公園に行った。



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