4人の狼と囚われの子羊。 【完】

紫電一閃 /ランの場合。



おれはリビングを出ると、つばきの部屋に向かった。



間接照明だけが付けられた薄暗い部屋の中、スミレは眠っていた。



「……」


派手に泣いた跡がある。



そっと目元に触れると、熱を持っていた…。





おれのせいだ。



おれがスミレの望むことを言ってやれなかったから…。



「……」


後悔に震える指に力を入れ、掛け布団を捲り、スミレの体を抱き上げた。



「!…ラ、ランッ」


瞬時に目を覚ましたスミレ。



慌てておれの腕から逃れようとする。



「動くな」


つい語尾が強くなる。



「!」


スミレはビクンと体を震わせて、おれの顔を見上げる。



脅えた顔が見ていられなくて、おれはその唇を塞ぐ。



「んっ…」


乱暴に言葉を奪い、抵抗する気持ちも奪っていく。



「……」


唇を離した時、スミレは濡れた唇もそのままにおれを見上げていた。



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