4人の狼と囚われの子羊。 【完】

紫電一閃 /スミレの場合。 1






「……」


信じられなかった。



ランが…あたしを“好き”って…。





でも、ここに来るまでのランは今までと全然違ってすごく、優しかった。



タクシーの中でも優しく頬を撫でて謝ってくれた。



手、繋がれてすごくびっくりしたけど…。



さっき、歩幅も合わせてくれた…。



抱きしめる腕も…優しくて…嬉しかった。



また泣いてたあたしを気遣ってそうしてくれてたのかと思ったんだけど…。





「…スミレ…?」


ランがあたしの顔を覗き込む。



「あ…ご、ごめん…」


あたしは慌ててランを見上げた。



ランはほっとした表情を浮かべて、優しく瞳を細めた。



…優しい笑顔…。



あたしは嬉しくて、思わず微笑んだ。




すると、ランも嬉しそうに口元を綻ばせた。



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